研究課題/領域番号 |
18K08037
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 一文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10335630)
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研究分担者 |
赤木 達 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60601127)
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70379840)
三好 亨 岡山大学, 大学病院, 講師 (70444651)
深水 圭 久留米大学, 医学部, 教授 (80309781)
伊藤 浩 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90446047)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 / 終末糖化産物受容体 / RAGE / 血小板由来増殖因子 / 肺動脈平滑筋細胞 / S100A8/A9蛋白 / DNA-aptamer / モノクロタリン誘発性肺高血圧症 |
研究実績の概要 |
1. 肺高血圧モデルラットにおけるRAGE特異的 DNA aptameの効果の検討 モノクロタリン誘発性肺高血圧症モデルラットにおいてモノクロタリンと同時に終末糖化産物受容体RAGE特異的 DNA aptamerの持続皮下注を行ったところ、右室収縮期圧の上昇を有意に抑制した。さらに肺動脈病理像を検討したところ, 肺動脈の中膜にRAGEが過剰に発現しており, RAGE特異的 DNA aptamer投与群において中膜平滑筋層の肥厚が非投与群にくらべ有意に抑制された。すなわちRAGE特異的 DNA aptamerは肺高血圧症と肺動脈リモデリングの発生抑制効果を認めた(論文: Nakamura et al. J Cardiol. in press)。また様々なナノ粒子の肺高血圧症への治療効果をまとめて報告した (論文: 中村一文 等 Medical Science Digest 2021)。 2. 肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者肺動脈の細胞における検討 特発性および遺伝性PAH患者の移植時摘出肺の中膜平滑筋層においてRAGEおよびそのリガンドであるS100A8/A9蛋白が過剰発現していた。さらに培養したPAH患者の肺動脈平滑筋細胞において, 血小板由来増殖因子(PDGF)刺激にてRAGEの発現は増加した。PAH肺動脈平滑筋細胞の増殖はPAHのない対照controlのPASMCsより亢進しており,TIR/BB-loop類似構造体にてTIRAP機能抑制を介してRAGE signaling を抑制してみると, PDGF刺激による増殖反応は抑制された。そしてPAH肺動脈平滑筋細胞においてPDGF刺激による増殖亢進をRAGE特異的DNA aptamerは有意に抑制した。
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