研究課題/領域番号 |
18K08039
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小林 茂樹 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90397993)
|
研究分担者 |
矢野 雅文 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90294628)
山本 健 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50363122)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 心不全 / 心室頻拍 / リアノジン受容体 / カルシウムハンドリング / ダントロレン |
研究実績の概要 |
慢性心不全におけるダントロレンの予後および心室性不整脈に与える効果と安全性を評価する多施設ランダム化二重盲検(SHO-IN Trial:UMIN 28766):本臨床試験は医師主導型の中国地方、四国地方を含む20施設からなる、ダントロレン、プラセボを用いた二重盲検試験である。対象は左室駆出率40%未満の慢性心不全患者で(1年以内に心不全により入院歴がなけれBNP150pg/mL以上、1年以内に入院歴があればBNP100pg/mL以上)、主要評価項目は、心血管死、心不全増悪による入院、致死的不整脈による複合エンドポイントである。評価期間は2年である。2018年1月より、患者エントリーを開始し、2019年3月31日で、合計74例の患者の登録を行っている(目標患者登録数300症例)。 マウス心筋梗塞(MI)モデルを用いたダントロレンの作用機序、効果判定試験:マウスMIに対してダントロレン:20mg/day)を8週間慢性投与し(ダントロレン群)、心筋細胞内カルシウムハンドリング、心筋細胞機能、致死的不整脈発生や予後に与える影響についてMI群と比較検討した。ダントロレン群では、MI群に比較して、心筋細胞内Ca2+ transient、Ca2+ spark、cell shortening、左室リモデリングの程度はいずれも改善し、エピネフリン誘発試験において、心室頻拍の発生頻度は有意に抑制された。さらに、Kaplan-Meier曲線では、ダントロレン群では、MI群に比較して有意な生存率の改善を認めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究のSHO-IN Trialでは、予定では、平成30年度(1年間)で、150症例の患者登録を行う予定であったが、2019年3月31日時点で、74症例の登録となっており、患者登録が予定より、遅れている。理由としては、予想より、エントリー基準を満たす候補患者数が少ないためである。 基礎研究は、おおむね順調に進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
臨床研究のSHO-IN Trialの患者登録を加速させる。各施設において、候補患者のスクリーニングを行い、また、各施設間で情報を共有することにより、同意取得率を向上させ患者登録数を増加させる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
SHO-IN試験の患者登録数が予定より、少なかったため、外注検査費用も予定より少なくなった。 そのため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は次年度の外注費用や試薬購入費に当てる。
|