研究実績の概要 |
マウス心筋梗塞後4日目の心外膜脂肪に浸潤する炎症細胞をflow cytometryにより検討した。その結果興味深いことに、心外膜脂肪の容量が心筋梗塞を作製しないshamのマウスと比較してMI後に増加すること(sham 12 ± 2 vs. MI 26 ± 4 mg)、MI後の心外膜脂肪にはshamのマウスの心外膜脂肪と比較して、monocyte, macrophage, T細胞, B細胞などの炎症細胞が多数存在すること、さらに興味深いことに、shamマウスではほぼ見られなかったInterleukin-3 (IL-3)を産生するB細胞(IgM+)が強力に誘導されることを見出した。同様の細胞は、心筋梗塞部位、脾臓、腹部内臓脂肪には認められなかった。 IL-3のターゲットとして梗塞部位におけるIL-3受容体(α subunit: CD123, β subunit: CD131)の発現を検討すると、主にmacrophage, monocyteにその発現が認められた。これらmyeloid cellはMI後の炎症性サイトカインの主なsourceであるため(Nahrendorf M et al. J Exp Med 2007, etc)、マウス骨髄細胞よりBone marrow-derived macrophage (BMDM)を誘導し、IL-3で刺激すると、IL-1β, IL-6, CCL2などの炎症性サイトカインが強力に誘導された。
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