研究実績の概要 |
計画通り、IL-3KOマウスとB細胞欠損マウス(μMTマウス)の骨髄を1:1で混合し、致死的放射線照射を行った野生型C57B/6マウスに骨髄移植を行うmixed bone marrow chimeraによりB細胞特異的IL-3KOマウスを作製した。コントロールはIL-3KOマウスの代わりに野生型マウスを用いた。B細胞特異的IL-3KOマウスにMIを作製し、1ヶ月後の生存率、心機能の評価を行なったところ、B細胞特異的IL-3KOマウスで改善傾向にあった。また梗塞部位での浸潤細胞の評価をflow cytometryを用いて行うと、B細胞特異的IL-3KOマウスでLy6Chigh単球、マクロファージの集積や、IL-1β, IL-6, CCL2などの炎症性サイトカインの発現が低下していた。一方、骨髄、末梢血中の好中球、単球などのmyeloid cellの数にはコントロール群と明らかな差を認めなかった。 IL-3のターゲットとして梗塞部位におけるIL-3受容体の発現を検討すると、主にmacrophage, monocyteにその発現が認められた。これらmyeloid cellはMI後の炎症性サイトカインの主なsourceであるため、マウス骨髄細胞よりBone marrow-derived macrophage (BMDM)を誘導し、IL-3で刺激すると、IL-1β, IL-6, CCL2などの炎症性サイトカインが強力に誘導された。 IL-3が実際に治療標的になり得るかの検討のために抗IL-3中和抗体を使用し、MI後生存率、心機能の評価を行なったところ、preliminary dataではあるが、改善傾向にあった。
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