研究課題/領域番号 |
18K08065
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
前川 裕一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90296575)
|
研究分担者 |
瀬藤 光利 浜松医科大学, 国際マスイメージングセンター, センター長 (20302664)
堀川 誠 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (50775997)
秋田 敬太郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (70645762)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 肥大型心筋症 / 脂肪酸代謝 |
研究実績の概要 |
5症例の心筋生検検体についてExtracellular Oxygen Consumption Assayキットを用い、酸素消費速度(OCR)を測定し解析を行った。Synergy H1を用いてEx380nm/Em650nmを37℃で測定した。2時間40分で蛍光測定するも時間経過に伴う蛍光変化が得られなかった。その後、測定時間を延長したが、同様の結果であった。最終的に取得可能な生検試料で、測定時間を延長する他に培地量を減らすなどの対策で蛍光強度増加が確認できる条件が得られないかを検討してみたが、良い条件は得られなかった。また、メトフォルミン添加による代謝への影響なども観察できなかった。蛍光強度に変化が見られない理由として、組織片のサイズが小さく細胞数が足りないためと考えられた。結果、代謝測定キットを使用することによる目的とした代謝の測定は不可能と判断した。そこで、解析方法を同位体標識化脂肪酸の取り込みをMALDI-IMSまたはDESI-IMSで測定する方法に変更した。生検心筋検体凍結包埋を作成し、凍結切片を調製し、MALDI-IMSまたはDESI-IMSを用いて解析した。現在4症例の解析が終了し、症例数を増やして検討予定である。4症例については臨床背景とアラキドン酸他、脂肪酸代謝異常との関連性が認められたが、症例数が少なく、今後、症例数を増やすことが課題と考えている。脂肪酸代謝に介入する事が肥大型心筋症の新たな薬物療法の開発に結び付く可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画とは異なった解析方法に変更したが、研究協力症例数は順調に増えており、解析は順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
症例数を増やし、最終解析を今年中に行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画した解析方法で予備実験を行ったが、適切な解析条件が得られず、最終的結論として予定した解析方法では検体のサイズが小さいために解析が不可能であることが判明した。この時点で、新たな解析方法を検討する必要性が生じ、一時的に解析を中止した。そのため、使用する予定の物品が不要となった。現在は新たな解析方法が見つかったため、次年度は、解析に伴う物品費他が必要となる。
|