研究課題/領域番号 |
18K08066
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
伊藤 正明 三重大学, 医学系研究科, 学長 (00223181)
|
研究分担者 |
土肥 薫 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50422837)
岡本 隆二 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (60378346)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | トルバプタン / アルドステロン / 心不全 |
研究成果の概要 |
V2受容体拮抗薬であるトルバプタンは腎集合管でV2受容体を阻害することで水利尿作用を発揮する。AngII刺激下でアルドステロン産生を増加させたヒト副腎皮質由来の培養細胞であるH295R細胞およびラットモデルを用いた実験からトルバプタンがV2R非依存性にアルドステロン濃度上昇およびアルドステロン合成酵素であるCYP11B2タンパク発現量増加を抑制することが確認された。これらの機序として、トルバプタンがCYP11B2のmRNA発現量を抑制することなく蛋白発現量を抑制し、DDIT3蛋白発現の増加とeIF2αのリン酸化亢進をきたしたことから、小胞体ストレス応答を介した蛋白合成過程への関与が示唆された。
|
自由記述の分野 |
循環器内科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心不全では体液過剰に対する治療に利尿薬が用いられる。ナトリウム利尿を起こす利尿薬ではレニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAA)系や交感神経系の活性、腎集合管での自由水再吸収亢進が引き起こされ、心筋リモデリングやナトリウム・水分貯留の原因となる。近年臨床応用された選択的V2R拮抗薬トルバプタンは腎集合管での自由水再吸収を抑制することにより水利尿を引き起こし、RAA賦活化作用の少ないとされている。今回の研究でトルバプタンの分子薬理機序が解明され、トルバプタンの心不全におけるより有効な治療法やその他の病態への応用に結び付き、さらには新しいアルドステロン阻害薬の開発に繋がることが期待される。
|