我々はiPS細胞由来CD82陽性心筋特異的前駆細胞を同定した(Cell Reports 2018)。心機能改善効果を検討するためにCD82陽性心筋特異的前駆細胞(2x106, 5x106個)を無胸腺ラットの心筋梗塞心に移植を行い、1か月後、3か月後でsham群に比べて改善効果を示した。組織学的には1か月後では梗塞心内でCD82陽性心筋特異的前駆細胞が心筋に分化しているのを確認したが、3か月後には残存が乏しい傾向にあり、ホストの残存する免疫能により除去された可能性が考えられた。今後、さらに効果的な治療法の確立のために、免疫抑制剤を用いて今後検討していく必要があると考えられた。
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