研究課題/領域番号 |
18K08070
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
世良 英子 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (70794139)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 / 心不全 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、左心不全症例の右心不全の発症、最重症化の要因となる肺高血圧症(第2群肺高血圧)の進展機序について、その起点となる肺動脈のリモデリングの進展に関わる遺伝学的リスク評価、オミクス解析・病理学的検討を含めた包括的な解析により右心不全進展の分子機序について検討することである。2018年度は大阪大学医学部附属病院に入院した心不全症例において全エクソーム解析を実施し右心カテーテル検査にて肺高血圧の合併が確認された症例においてゲノムデータベースの構築を進めた。全エクソーム解析結果を有する171症例のうち肺高血圧症例は80症例であり、引き続き症例数を増やして解析を進めていく予定である。また、臨床情報を後ろ向きに収集し、肺血管抵抗上昇の有無、右心不全発症など臨床表現型の層別化も実施し、肺高血圧に関連する希少バリアントおよびコモンバリアントの存在が右室機能不全の発症等に関連することが示唆された。次年度以降は更に症例数を増やして解析を継続し、ゲノムデータベースと臨床情報を合わせ、臨床病態に影響を及ぼす遺伝子素因の検索を行っていく予定である。また、全エクソーム解析データより得られた情報をもとに、肺動脈性肺高血圧症肺高血圧(第1群肺高血圧症)の原因遺伝子および疾患関連遺伝子として報告のある遺伝子変異を用いて新たに疾患各群の層別化を行い、肺動脈リモデリングを伴う肺高血圧症の発症、進展に関わる遺伝学的リスク因子の検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在解析済みの症例において、肺高血圧に関連する遺伝子変異といくつかの臨床表現型との関連性が示唆される結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床背景情報や各種臨床検査の取集を進め臨床表現型の層別化とゲノム情報との関連性を明らかにすることにまず努め、表現型、重症度による遺伝的リスク因子の検討および同定されたリスク因子に基づく心不全症例の層別化と予後評価へ移ることを目標に研究を進めていく。結果を取りまとめて成果の発表を順次行い、学術発表にも力を入れて取り組んでいく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の経費のうち、今年度のゲノム解析の検体数が当初の予定より少なかったため、次年度に繰り越すこととした。次年度の研究計画に基づき、今年度に予定していたものも含め検体の測定やデータ解析、研究成果発表のための学会出張旅費に使用予定である。
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