研究課題
高尿酸血症や痛風はNLRP3 inflammasome活性化による炎症を引き起こすのみならず、心房細動を引き起こすことが報告された。我々はKv1.5チャネルが尿酸結晶( MSU)によるmacrophageでのNLRP3 inflammasome活性化を起こし、その分泌成分が心房筋でのNLRP3 inflammasomeをMSU-Hsp70-Kv1.5 経路を介して活性化することを明らかにした。Mouse macrophage(J774.1) にE. coli lipopolysaccharide (LPS)又MSUを添加後、培養液にcaspase-1p20とIL-1βを増強させた。NLRP3 inflammasomeの活性化を示唆した。KチャネルKv1.5 蛋白のJ774.1での発現が確認され、Kv1.5特異阻害剤Diphenyl phosphine oxide-1(DPO-1) の添加又siRNAによるKv1.5のノックダウンはNLRP3 inflammsome活性化を抑制した。MSU はHsp70発現又Kv1.5発現およびKv1.5 チャネル有するIKurが増強した。siRNA によるHsp70ノックダウンはMSU誘導するcaspase-1、 IL-1β およびKv1.5の発現を減少し、一方J774.1 をheat shock による増強したHsp70 はMSU誘導するcaspase-1, IL-1βおよびKv1.5 を増加した。HL-1細胞にLPSとMSUの添加はHL-1細胞でのcaspase-1 とIL-1βの産生は見られなかった。LPSとMSUに処理したmacrophageの上清液（CM+LPS+MSU）をHL-1細胞に添加はHL-1細胞でのcaspase-1 、IL-1β、Kv1.5およびHsp70の発現は著しく増強した。CM+LPS+MSUの添加する前にHL-1細胞にDPO-1の添加およびsiRNAによるKv1.5ノックダウンはHL-1細胞でNLRP3inflammasomeの活性化を抑制した。HL-1細胞をpatch clamp法で検証した。CM+LPS+MSUの添加はIKurを増大し、又IKur活性化により活動電位維持時間は短縮した。以上、Kv1.5チャネルはMSUによるNLRP3inflammasome活性化をmacrophage並びに心房筋において制御し、電気的リモデリングを介して心房細動発生に寄与することが推測される。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
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