研究課題/領域番号 |
18K08092
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
草野 研吾 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (60314689)
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研究分担者 |
福田 哲也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (90443506)
中村 一文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10335630)
田原 宣広 久留米大学, 医学部, 准教授 (10320186)
江石 義信 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70151959)
濱崎 俊光 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 部長 (40379243)
坂本 央 旭川医科大学, 大学病院, 診療助教 (30536115)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心臓サルコイドーシス / 抗菌薬 |
研究実績の概要 |
サルコイドーシス(サ症)は原因不明の全身性肉芽腫疾患であり侵される臓器は肺・皮膚・眼・心臓・肝臓・腎臓など多岐に渡る。古くから心病変合併の有無がサ症の生命予後を規定する最も重要な因子であるとされており、我が国では、諸外国に比べこの心病変の合併が多く、死因の3分の2を占めることも報告されている。治療としては経験的なステロイド治療が中心となるが、2015年に施行した心サ症の全国アンケート調査結果では、平均7.4mgが使用されているにもかかわらず、経過中ステロイドの増量が必要だった症例は、390名中55名(19.9%)であった。またサ症の再燃を抑制するために、副腎皮質ステロイドの必要維持量を5~10mgと比較的高用量に設定する必要があることや、長期にわたる内服が必要であることから、副腎皮質ステロイドによる様々な副作用や合併症の発現が問題となっている。これらの課題を解決するために、サ症の根本的な原因解明と治療法の開発が切望されている現状がある。近年、サ症の原因として、肉芽腫組織からPropionibacterium acnes(アクネ菌)が分離された一方、結核菌を含む他の細菌やウイルスが検出されなかったことを江石らが報告し、抗菌薬が効く可能性が報告されている。今回行っている心臓サルコイドーシスに対する抗菌薬治療の臨床的有用性を検討する探索的試験は、新規に診断された心臓サルコイドーシス患者に、通常のプレドニゾロン治療に加え、抗菌薬(クラリスロマイシン+ドキシサイクリン)を約半年間上乗せすることによるPET-CTによる炎症の変化、心機能の変化、抗生剤の副作用などを観察する前向き研究である。現在、患者リクルートを引き続き行っているが、トータルで20例弱と登録状況は予定よりも遅れている。世界初のエビデンス作りに向けて、症例登録を一層促していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
久留米大学の倫理委員会通過に時間を要したこと、大阪北部地震の影響で症例登録を断念した症例があることから登録の進捗が遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
60例を目指して症例登録を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
システム利用料を支払う予定だったが、1ヶ月分の料金に不足していた為、差額が発生した。
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