研究課題
基盤研究(C)
本試験の目的は、心臓サルコイドーシス患者において、副腎皮質ステロイドによる標準治療にクラリスロマイシンとドキシサイクリン塩酸塩の2剤併用療法を追加することで、抗菌薬を投与しない標準治療群と比較して、心臓における炎症進展抑制に対する効果および安全性を、多施設、無作為化、比較試験にて評価することである。抗菌薬はクラリスロマイシン1回200mgを1日2回24週投与、ドキシサイクリン塩酸塩水和物を1回100mg、1日1回22週投与を行った。2016年12月12日に国立循環器病研究センターの倫理委員会を通過、直ちに試験を開始し、29例の症例が登録され、現在フォローアップを行っている。
循環器内科
心臓サルコイドーシスは原因不明の肉芽腫性疾患であり、現在経験的なステロイド治療が終生行われているが、副作用の問題や再燃例が少なからず存在することが問題となっている。今回の研究で心臓サルコイドーシスに対する抗菌薬の有効性が確認されれば、原因としてのアクネ菌説を支持する結果となるだけでなく、現在ステロイドなどの免疫抑制治療に加わる新たな治療法を提供できる可能性がある。