研究課題
ドキソルビシン(DOX)がもたらす不可逆的心筋障害には特異的障害指標が無く根治手段も無い。APE1は、DNA損傷修復作用と抗酸化作用を持つ多機能蛋白であり、我々はこれまでのいくつかの研究によって新規心血管保護標的分子としての特性を確立した。DOXの抗腫瘍機序とAPE1の作用機序の共通性を根拠に、DOX誘発心筋障害マウスにおける心筋障害早期検出バイオマーカーとしての可能性、さらに心筋特異的APE1遺伝子導入による修復効果を検証し、DOX心筋障害の診断・治療両面における新規標的分子としてAPE1の意義を確立するために本研究を行った。マウスのDOX誘発性心筋障害モデルを確立し、介入処置の効果を検出し得る可逆的障害範囲内で高解像度心エコーによる心機能解析により心筋障害進展に伴う経時的変化を明らかにした。DOXの多段階用量による投与前後の血清および心筋組織のAPE1発現と組織障害の相関について検討し一定の相関を検出し得たことから、DOX心筋障害のバイオマーカーおよび心機能障害指標としてのAPE1の可能性を見出すことが出来た。DOX誘発性心筋障害マウスモデルにAPE1遺伝子導入を行い、心筋障害軽減効果と心機能早期回復効果を検出したが、コロナ禍のため実験研究のスケジュールに施設制約が影響したため、実験計画の進捗遅延が生じ、DOXとAPE1それぞれの量的多寡による病態形成の用量反応性、および介入効果の時間的相違と経時的変化について成績の確証を得るために引き続き研究継続を予定している。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 図書 (5件)
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