過去の研究から、エストロゲンが動脈硬化の発症・進展への関与が示唆されているが、その詳細な病態生理学的、及び分子生物学的メカニズムについては未解明な部分が多い。本研究では、「血管の褐色化」という観点から血管傷害後の反応メカニズムを解き明かすことを目的とした。そして、褐色化ブロックマウス(adipoq-Cre PRDM16 flox)を使用して褐色化の意義を検討するとともに、1細胞解析によって褐色化PVAT由来の抗炎症性分泌因子neureglin4を同定した。本研究結果から、血管傷害後に生じるPVATの褐色化によって、血管の炎症を終息に導き、病的な血管リモデリングを抑制することが明らかとなった。
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