低酸素による肺高血圧症(PH)モデルマウスを開発し、肺におけるp53の発現が有意に低下していることを明らかにした。メタボローム解析と細胞外フラックスアナライザーを用いたin vitro実験から、PASMCsにおけるp53の発現抑制は、解糖のアップレギュレーションとミトコンドリア呼吸の減少をもたらし、がん細胞に似た増殖性の表現型であることが示唆された。マウスPHモデルでp53を全身的に遺伝的に枯渇させると、症状がより重篤化することが示された。肺高血圧マウスを用いた実験では一定の成果を報告したが、研究チームの退職・異動に伴い、十分な研究活動が困難となり、ヒト検体を用いた研究は進行しなかった。
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