研究課題/領域番号 |
18K08101
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
土肥 薫 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (50422837)
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研究分担者 |
伊藤 正明 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00223181)
岡本 隆二 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60378346)
片山 鑑 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90742247)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 食塩感受性 / SGLT2阻害薬 |
研究実績の概要 |
Dahl食塩感受性高血圧ラットを6週齢から低食塩摂取継続群(n=7)、8%の高食塩摂取群(n=7)、高食塩摂取+SGLT2阻害薬投与群(ipragliflozin 0.04%混餌投与:n=7)、高食塩摂取+アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)投与群(losartan 0.05%混餌投与:n=8)、高食塩摂取+SGLT2阻害薬+ARB投与群(ipragliflozin 0.04%+losartan 0.05%混餌投与:n=8)に割り付けた。6週齢から2週間毎に血圧と体重を測定し、心エコー図検査で心形態・機能を経時的に観察すると同時に、代謝ケージを用いて尿収集を行った。最終週である第14週齢に全群で血液、神経体液性因子、心筋組織、腎組織を取得した。尿量、飲水量ともに高食塩群で低食塩群に較べ増加したが、高食塩+SGLT2阻害薬および高塩食+SGLT2阻害薬+ARB投与群では更に増加した。血圧は、高食塩群、高食塩+SGLT2阻害薬投与群、高塩食+ARB投与群で低食塩群に比べ有意に上昇したが、高食塩+SGLT2阻害薬+ARB投与群では、血圧上昇は抑制された。さらに、クレアチニンクリアランスは、高塩食群、高塩食+SGLT2阻害薬、高塩食+ARB群では、低塩食群に較べて悪化していたが、高塩食+SGLT2阻害薬+ARB投与群においては有意にクレアチニンクリアランスが改善していた。組織学的評価において、高塩食群、高塩食+SGLT2阻害薬、高塩食+ARB投与群で心重量の増加が認められたが、高塩食+SGLT2阻害薬+ARB投与群では、心重量が改善していた。さらに、心筋サイズの抑制(心肥大の抑制)、心筋間質ならびに血管周囲の線維化いずれにおいても高塩食+SGLT2阻害薬+ARB投与群で、無治療群または単独薬剤投与群に較べて改善所見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食塩感受性高血圧ラットモデルにおいて、高塩食投与下でのSGLT2阻害薬とARBの併用投与による血圧降下作用、心肥大抑制効果、腎硬化抑制効果所見を生体パラメータ、血液学的評価、病理学的評価から得ている。さらに分子病態学的評価(遺伝子解析、プロテオーム解析)を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
心不全期での同様のプロトコールでの検討を予定している。
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