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2020 年度 実施状況報告書

3D画像/バイオマーカーを用いたMitraClipによる左室逆リモデリングの検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K08106
研究機関大阪大学

研究代表者

溝手 勇  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10584609)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード4D flow MRI / 僧帽弁逆流 / MitraClip
研究実績の概要

4D flow MRIにおいて僧帽弁輪にROIを設定し、同部位のflow情報を得ることで、心臓超音波検査による逆流定量化が困難とされる偏心性逆流症例においても正確に逆流量を測定できる。また、MitraClip留置後は心臓超音波検査による残存逆流の定量化は困難であるが、4D flow MRIではMitraClip留置後も定量化できると考えられる。しかしながら、MitraClipはニッケルチタン合金で形成されており、金属ハレーションが生じるためMitraClipが留置された弁尖部のflow信号は金属ハレーションのため無信号となる。僧帽弁輪部における金属ハレーションを確認するためにブタ僧帽弁へのMitraClip埋没実験を再度計画。実施を予定したが、コロナウイルス感染の蔓延に伴い、実験が不可能となったため2021年度に再度、実験を計画している。しかしながら、コロナウイルス感染の影響を受ける可能性が高く、実験による検証が再度困難になる可能性を考慮し、2020年度はMitraClip留置後の症例において、左心房左心室容量解析のために心臓MRIの撮像を開始し、その際にflow情報も同時に蓄積することとした。金属ハレーションの影響は、MRI画像上で確認することができ、実際に施行した全例においてMitraClip留置部位(弁尖部)から離れた僧帽弁輪には金属ハレーションが生じないことを確認した。一方で、残存逆流量の評価については、僧帽弁輪を通過する残存逆流ジェットのスピード(Verocity)の設定レンジを誤ると過大もしくは過小評価する可能性があることが新たに判明した。適切な設定をすることによりこれらの問題も解決できるため、術後フォローで行う心臓超音波検査にて、残存逆流のVerocityを確認することとし、それによって最適な設定を行うこととした。本年度は、さらにこれらのデータを蓄積する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID19の蔓延により、遠方における動物実験の施行が困難となっているため(出張規制のため)、当初の実験計画より遅延している。
しかしながら、MitraClip留置後1年を経過した症例において、左心房左心室容量解析のためにMRIを撮影することが可能となり、その際に僧帽弁輪部も撮影するために、金属アーチファクトの範囲を画像上で同定でき、MRI撮影の設定を最適化することが可能になりつつある。これらの経験を蓄積することで状況によっては、動物実験を回避できる可能性もあり、去年はかなりの遅延を余儀なくされたが、本年度はさらに進展できると考えている。

今後の研究の推進方策

4D flow MRIを用いた僧帽弁逆流の定量法は直接法であり、有用であることはすでに報告されているが、同方法を用いたMitraClip留置後の逆流量定量については十分なエビデンスがない。MRI撮像時のMitraClipを含めた金属物のアーチファクトは画像上で確認できるとともに、flow情報については無信号となることがわかっている。動物実験で、アーチファクトの範囲を確認するとともに、人においてもMitraClip留置後の心臓MRI撮影時(左心室左心房容量解析のため)のMitraClipによるアーチファクトの範囲を解析し、MitraClip留置後の逆流量解析が可能である部位(一般的には、僧帽弁輪部、もしくは同部位より1cm程度離れた左心房内と考えられる)を同定。カテーテル治療後の逆流量の定量化の方法論を確立する。さらには三尖弁逆流症における逆流量定量化へと発展応用する予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID19の蔓延により動物実験の中止を余儀なくされたため。本年度に再度動物実験を計画するが、同様のことが起こりえるため、人におけるMRIデータを蓄積している。4D-MRI画像解析ソフトの最適化にはアップグレードが必要であり、動物実験が困難である場合には、それらに対して助成金を使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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