ブタを用いた動物実験によるMitraClipの留置およびMRI撮影による左房内のflow情報に与える影響の再評価を検討していたが、コロナ蔓延により動物実験の見通しが立たないため、動物を使わない方法で実験することとした。人のCT画像から、3Dプリンターを用い、樹脂製心臓モデル(左房・僧帽弁・左室)を新たに作成し、実験に用いることとした。血流を生み出すための駆動装置にはハートロイドを用いることとした。ペースメーカーリードなどの金属物が心臓内MRI信号に影響することは明らかであるが、僧帽弁位に埋め込まれたMitraClipが、左房内MRI信号に影響する範囲を同定するには金属(MitraClip)と同サイズの非金属製クリップを作成し、MRI撮影、比較する必要があるため、現在、樹脂製クリップを作成している。 2021年度は、樹脂製心臓モデルにおいて、ハートロイドを装着し、MRI撮影を施行。血流シグナルを確認することができている。またハートロイドによる血流量が4D flow MRIにおいて定量した血流量と相関することを確認した。2022年度には、この結果をもとに、MitraClipがflow signalに与える範囲を確認する予定である。
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