研究課題/領域番号 |
18K08107
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中川 晃志 岡山大学, 大学病院, 助教 (70726132)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 基準設定 / 態勢構築 |
研究実績の概要 |
本研究ではPlatypnea-orthodeoxia 症候群(以下POS)を有する高齢者が対象となるが、本疾患の明確な診断基準は示されていないため、他の専門家と協議の上で本研究におけるPOS診断基準の設定を行った(ただし研究の進行に伴い修正が必要と考えられる場合には、再度協議の上で変更は可とした) <診断・評価基準>症候:次の④かつ①~③いずれかを呈するものにおいては、解剖学的要因の評価を行う。①臥位から立位または座位への体位変換にて、経皮的酸素飽和度が5%以上低下する。②臥位から立位または座位への体位変換にて、経皮的酸素飽和度が93%以下となる。③3Mets未満の労作(歩行)にて経皮的酸素飽和度が90%以下となる。④慢性低酸素血症の原因となる呼吸器疾患、非代償性心不全、チアノーゼ性心疾患などを有さない。 解剖学的要因:心房間シャントの検出のための基本的なスクリーニングは経胸壁心エコーまたは経食道心エコーにて行う。次の①②いずれかを認めた場合にPOSと診断し、さらに機能的要因の評価を行う。①カラードプラー法にて心房間シャント血流を認める。②マイクロバブル法にてGrade3以上の右左短絡を認める。 機能的要因:POSの診断に至った場合は、胸部単純レントゲン、胸部CTにて、大動脈過延長、心臓の機械的圧排、亀背の評価などを行う。また既往症(特に高血圧、心房細動、脳梗塞など)についての情報を収集する。 また本研究は、岡山大学病院及びその関連病院、岡山県内の通所リハビリテーション施設に通う75才以上の後期高齢者を対象として行う予定であるが、罹病率を含めた包括的なものであるため、POSの疑いがある対象をピックアップする必要がある。このため各施設に対し情報提供・収集を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究ではPlatypnea-orthodeoxia 症候群(以下POS)の疑いのある患者のピックアップをはじめに行う必要がある。これは本研究の律速段階となるが、疑い患者の当院への紹介数が未だ少ないため。
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今後の研究の推進方策 |
Platypnea-orthodeoxia 症候群(以下POS)の疑いのある患者のピックアップのため、関連病院、リハビリテーション施設への疾患周知、疑い患者の紹介依頼を推進する必要がある。各施設での疾患認識、協力体制が必要となるため、文書での疾患周知・紹介依頼、適宜施設訪問を行っていく。POS疑いの患者については診断・評価基準に従い、適宜治療まで順次進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、解析用のコンピュータを計上していたが既存のコンピュータで代用が可能であったため、次年度繰越とした。 次年度もソフトウェア、データ保存媒体、解析用コンピュータ関連の備品に関する費用が中心となる予定である。
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