細胞膜カベオラ構成蛋白であるCaveolin-1 (Cav1) は肺動脈性肺高血圧症 (PAH) の原因遺伝子の一つであるが、Caveolin-CavinシステムのPAH発症・進展における役割はいまだ不明である。 肺動脈血管内皮細胞においてCav1はBMPR2を細胞膜に局在させSmad 1/5/9のリン酸化を調節し、血管内皮細胞のアポトーシスに関与していた。またCavin-1はCav1とBMPR2の結合を競合阻害しBMPR2の細胞膜への局在を阻害して、下流のSmadシグナルを調節していた。以上より、Cav1とCavin1の結合阻害が肺高血圧症に対する治療ターゲットとなる可能性が示唆された。
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