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2020 年度 実績報告書

動脈硬化の進展抑制を指向した活性酸素の産生/消去スイッチング機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K08115
研究機関昭和大学

研究代表者

芦野 隆  昭和大学, 薬学部, 准教授 (00338534)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード動脈硬化 / 血管平滑筋細胞 / 酸化ストレス / Nrf2
研究実績の概要

活性酸素種は、血管細胞においてセカンドメッセンジャーとして機能し、血管修復に寄与する。しかし、活性酸素種の制御不全によるレドックスバランスの破綻は、酸化ストレスを引き起こし動脈硬化亢進の原因となる。本研究では、血管における活性酸素産生系と消去系の調節機構の解明を目的としている。最終年度である2020年度は、活性酸素消去系としてのNrf2の役割について検討した。
申請者は前年度に、血管傷害により血管内膜に接着した血球細胞がNrf2を強発現した単球/マクロファージ系の細胞であること、またNrf2遺伝子欠損(KO)マウスでは、単球/マクロファージ系の細胞の接着が亢進することを明らかにした。単球/マクロファージ系の細胞の遊走には、単球走化性因子(MCP-1)が関与するが、傷害血管におけるMCP-1の発現誘導には、WTおよびNrf2 KOマウスに差はなかった。そこで、WTおよびNrf2 KOマウスから単離したマクロファージにMCP-1を処置したところ、WT細胞においては、Nrf2の核移行とともに、Nrf2の標的遺伝子であるヘムオキシゲナーゼ-1とチオレドキシンが誘導した。さらに、MCP-1による細胞遊走がNrf2 KO細胞で亢進した。
以上の結果から、骨髄細胞におけるNrf2による抗酸化能は、MCP-1による単球/マクロファージの傷害血管への接着、浸潤を制御し、血管内膜肥厚抑制に関与していることが示唆された。これらの知見は、新たな動脈硬化進展メカニズムの解明とともに、新規治療ターゲットとしてのNrf2の可能性を示唆するものである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Nrf2 antioxidative system is involved in cytochrome P450 gene expression and activity: a delay in pentobarbital metabolism in Nrf2-deficient mice2020

    • 著者名/発表者名
      Ashino T, Yamamoto M, Numazawa S
    • 雑誌名

      Drug Metab Dispos

      巻: 48 ページ: 673-680

    • DOI

      10.1124/dmd.120.000010.

    • 査読あり
  • [学会発表] MARTAオランザピン誘発酸化ストレスへの応答性には性差がある2021

    • 著者名/発表者名
      服部 夏実,光本(貝崎)明日香,芦野 隆,山本 雅之,沼澤 聡
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会
  • [学会発表] 血小板由来増殖因子による血管平滑筋遊走における活性イオウ分子の遊走抑制のメカニズム2020

    • 著者名/発表者名
      石井 俊一,藤森 央基,渡部 真由,芦野 隆,沼澤 聡
    • 学会等名
      フォーラム2020:衛生薬学・環境トキシコロジー
  • [学会発表] 盲腸結紮穿刺誘発敗血症による肝シトクロムP450発現変動における炎症性サイトカインの役割2020

    • 著者名/発表者名
      芦野 隆,中村 祐輝,大滝 博和,岩倉 洋一郎,沼澤 聡
    • 学会等名
      第47回日本毒性学会学術年会
  • [備考] 昭和大学薬学部基礎医療薬学講座毒物学部門ホームページ

    • URL

      https://www.showa-u.ac.jp/education/pharm/major/toxicol.html

  • [備考] 昭和大学薬理科学研究センターホームページ

    • URL

      https://www.showa-u.ac.jp/research/prc/

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公開日: 2021-12-27  

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