研究課題
心毒性を有する化学療法患者に対し心エコー最新機能評価が予後に与える影響を検証した国際共同研究を実施した。左室機能評価の最新機能であるストレイン解析群と通常群の2群にランダム化で分け、3D解析した左室EFで定義をした心毒性をアウトカムとし予後追跡調査行った。結果はストレイン群は通常群と比較して化学療法開始1年後の左室機能低下を予防できた。この結果から、心毒性を有する化学療法実施患者に対して、通常の心エコーのみならず最新機能を用いることにより、心毒性を早期に検出することで心保護薬物加療の早期介入を可能とし左室機能低下の予防効果があることが証明された。この結果は2021年のJournal of American College of Cardiology誌に掲載された。またその研究に先駆けて施行した心エコー描出画像がストレイン解析に与える影響を検証した研究では、心尖四腔像の一断面と比較して心尖部四腔像・二腔像・三腔像の三断面を用いたほうが再現性が高いことが証明された。この結果は2018年のJournal of American College of Cardiology Cardiovascular Imaging誌に掲載された。これら結果から、抗がん剤治療関連心筋障害の検出方法に関しての新たな知見が得られ、今後の腫瘍循環器領域において重要な結果と考えられる。また単施設研究では最近導入された全自動ストレイン解析に関して、心毒性を有する抗がん剤投与予定患者における再現性を検証し、現在論文作成中であり、第32回心エコー図学会学術集会において発表予定である。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)
J Am Coll Cardiol.
巻: 77 ページ: 392-401.
10.1016/j.jacc.2020.11.020