研究課題/領域番号 |
18K08126
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
野口 暉夫 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (70505099)
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研究分担者 |
浅海 泰栄 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (20629315)
樋口 隆弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (30739850)
森田 佳明 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員研究員 (80628074)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | プラーク / 冠動脈 / MRI / 画像診断 |
研究実績の概要 |
MRにて高リスクと認識された冠動脈HIPの分子病理学的な特徴は何か?、MRイメージングの撮像法およびプラーク解析の最適化・簡素化が図れないか?、冠動脈HIP(不安定プラークの程度)と心筋虚血発症のメカニズムは何か?という学術的な問いに対して平成30年度は、以下の成果を出した。 1)ヒト剖検心・冠動脈アテレクトミーを用いた冠動脈HIPの成因解明:剖検心(41例)を用いてプラークの病理評価を行い、冠動脈HIPに特徴的な病理像を評価開始した。 2)冠動脈動脈プラーク性状と心筋虚血発症との相互作用の解明:180名(内、30例が左前下行枝にHIP認めた)を登録し、HIPの存在が冠動脈狭窄の程度に関係無く心筋虚血を引き起こす、すなわちプラーク組織性状の不安定性が生理学的な心筋虚血に関与しているという世界に先駆けた成果が出てきている。 3)冠動脈HIP自動測定のためのソフトウエア(q-HIP)の開発:我々が開発した冠動脈HIPの輝度の定量評価に用いる半自動画像解析プログラム-quantitative HIP analysis software (q-HIP)の臨床的有効性の検証を行い、q-HIPが、従来の冠動脈高信号プラークを定量的に評価する2次元PMR法よりも有意に不安定プラークを評価できることが判明した。この成果を海外学会で発表し、現在論文化して投稿中である。また開発した画像解析ソフトを知財に登録予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1)ヒト剖検心・冠動脈アテレクトミーを用いた冠動脈HIPの成因解明は、既に剖検心(41例)を登録を完了し、冠動脈HIPに特徴的な病理像を評価開始した。 2)冠動脈プラーク性状と心筋虚血発症との相互作用の解明:180名(目標190例の94%)を登録し、HIPとFFRの相関を評価開始した。 3)冠動脈HIP自動測定のためのソフトウエア(q-HIP)の開発:すでに成果を論文として投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
1)ヒト剖検心・冠動脈アテレクトミーを用いた冠動脈HIPの成因解明:冠動脈アテレクトミーにより採取したプラークの病理評価を行い、質量分析を開始する。 2)冠動脈硬化モデルブタを使用したプラークの性状と心筋虚血発生機序の解明:冠動脈硬化モデルブタモデルの冠動脈標本を作製し病理的検索を進める 3)冠動脈HIP自動測定のためのソフトウエア(q-HIP)の開発:論文の受理を目指す。 4)冠動脈プラーク性状と心筋虚血発症:190例(残り10例)登録を行い、2019年中に路雲分投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外の学会参加を予定していたが、参加しなかったため。
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