研究課題
1)ヒト剖検心を用いた冠動脈HIP画像との対比研究では、非造影T1強調画像法で高信号強度(白く光る)に描出される冠動脈プラークは、neccrotic coreを伴う粥腫内出血を有するプラークであることが判明した。2)冠動脈プラーク性状と心筋虚血発症との相互解明の研究では、211人(260病変)をエントリーし、冠動脈狭窄度が同程度であってもプラークの不安定性の指標であるプラークの信号強度が高値な症例ほど心筋虚血の指標であるFFR<0.8の比率が増加することが判明した。3)従来の冠動脈HIPの信号強度の定量的評価のために用いたPMR(2次元測定法:2D-PMR)に対して、プラークの不安定性の指標であるプラーク容積を加えた3次元的な測定法(3D-PMR)を開発し、3D-PMRの精度検証のためにPCIに伴う周術期心筋障害の予測精度を従来の2D-PMRと比較した。無症候性心筋虚血141例に対してPCI施行前にMRI冠動脈プラークイメージングを施行し比較した。ROC曲線下面積(AUC)の比較では、3D-PMRIのAUCは0.753、2D-PMRのAUCは0.683であり、有意に3D-PMRIの周術期心筋障害予測能が高いということが検証された(P=0.015)。本研究結果はJ Cardiovasc Magn Reson(査読有り). 2020 Jan 16;22(1):5. doi: 10.1186/s12968-019-0588-6.に発表した。
1: 当初の計画以上に進展している
1)ヒト剖検心を用いた冠動脈HIP画像との対比研究は病理評価を終えて論文作成中2)冠動脈プラーク性状と心筋虚血発症との相互解明の研究は解析が終了し論文作成中3)冠動脈HIP自動測定のためのソフトウエア(q-HIP)の開発は、J Cardiovasc Magn Reson(査読有り). 2020 Jan 16;22(1):5. doi: 10.1186/s12968-019-0588-6.に発表した
1)ヒト剖検心を用いた冠動脈HIP画像との対比研究を2020年度内に論文発表する。2)冠動脈プラーク性状と心筋虚血発症との相互解明の研究を2020年度内に論文発表する
研究2年目に使用予定であったヒト剖検心の病理標本に使用する免疫染色およびq-HIPに用いる画像診断開発費用を、最終年度に支出することに決めたため。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
J Cardiovasc Magn Reson.
巻: 22 ページ: 5
10.1186/s12968-019-0588-6.
Int J Cardiovasc Imaging
巻: 35 ページ: 1791、1792