研究実績の概要 |
肺腺癌細胞株(Ad細胞株)4種類と肺扁平上皮癌細胞株(Sq細胞株)2種類を使用して研究を行った。Ad細胞株においてNumbをsiRNAを用いて発現を低下させたところNotch1の発現が増加しMTT assay、クロノジェニックassayにおいて増殖能が増加していた。またtranswell cahmberで浸潤能、遊走能を確認したところ増加した。さらにNumbの抑制によりEMT(epitheial mesenchymaltransition)マーカーとしてE-cadherinの低下、Vimentin,Snailが増加した。逆にNumbをover expressionしNumb発現を増強させたところAd細胞株においてNotch1の低下を認め、増殖能、浸潤能、遊走能は低下、EMTマーカーにおいてE-cadherinの増加、Vimentin,Snailが低下した。NumbをoverexpressionさせてAd細胞株、をヌードマウスに皮下接種しゼノグラフトマウスモデルを作成したところ腫瘍の増殖が抑制され採取した腫瘍細胞においてNumbの発現増加は維持されておりNotch1の低下、Ecadherinの上昇、Vimentin,Snailの低下を認めin vitroの結果と同様であった。 Sq細胞株において上記と同様の実験を行ったところNumb抑制において腫瘍増殖能、浸潤能、遊走能が低下し、Numbの強制発現により逆の結果を認めた。Numbの低 下によりNotch1は変化せずNotch4の増加を認め、逆にNumbの増加によりNotch4は低下した。 外科的切除されて肺癌組織検体を使用しNumbの発現を検討した結果肺腺癌195例でNumb高発現は111例、低発現は86例あり、高発現症例は低発現と比較して予後は良好であった。
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