研究課題/領域番号 |
18K08131
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
大崎 能伸 旭川医科大学, 大学病院, 教授 (30191935)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | BET阻害剤 |
研究実績の概要 |
BET阻害剤であるJQ-1に耐性を持つ細胞株を作製したが、その他のBET阻害剤に対しても同様に耐性を持つ細胞であるかを検討するため、別のBET阻害剤であるOTX015への感受性を調べた。その結果、JQ-1耐性株はOTX015でも同様に耐性を示した。 次世代シークエンサーを用いたsmall RNAシークエンスを行い、BET阻害剤の感受性株におけるmiR-21の機能解析を行ったが、その工程で、BET阻害剤耐性株におけるmiR-21発現レベルの差異を突き止めた。BET阻害剤感受性株、及び耐性株よりsmall RNAを抽出し、Taqman small RNA assay、digital PCR法を用いてmiR-21の発現レベルを比較した。その結果、親株と耐性株とでmiR-21の発現レベルに差を認め、耐性株でその発現が亢進していた。 BET阻害剤であるJQ-1をNUT carcinoma細胞へ投与した条件下で、さらにmiR-21、miR-21 inhibitorを各々加えてみても、miR-21のNUT carcinoma細胞の細胞増殖へ及ぼす効果には変化を認めなかった。OTX015を用いた条件でも同様であった。このことから、BETの細胞内シグナル経路と、miR-21の作用機序がそれぞれ別であことが推察された。 一方、BET阻害剤に感受性を持つ親株に対してBET阻害剤を投与し、miR-21の発現レベルの変化を測定したが、感受性株と耐性株間で見られたような発現レベルの差異は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
BET阻害剤に高感受性である細胞株では、耐性株の作製が難しく、その作製条件に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
複数の耐性株作製までに時間を要することが予想されたため、今後、細胞株を絞って研究を進めることも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の進行が遅れているため、前年度分の研究費を繰り越す予定である。
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