本研究で我々はこれまで不明だったマウス胸壁や横隔膜を覆う壁側胸膜のリンパ管や血管の正常解剖を同定した。各々のマーカーで胸壁や横隔膜を免疫染色し、その正常解剖を顕微鏡で観察し同定した。リンパ管には毛細リンパ管と集合リンパ管があるが、その分布も確認した。また動脈、静脈、毛細血管等血管ネットワークの分布も確認した。次に胸壁や横隔膜の胸膜に播種性の転移性腫瘍を発生させた。本モデルをリンパ管や血管のマーカーで免疫染色すると一つ一つの腫瘍から流出するリンパ管や流入する血管を明瞭に顕微鏡で観察できた。本モデルでは一つ一つの腫瘍が小さく腫瘍への周囲の脈管からのリンパ管新生や血管新生を観察することができた。
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