研究課題/領域番号 |
18K08137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉田 勉 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80396473)
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研究分担者 |
奈良 正之 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (70374999)
村上 康司 東北大学, 大学病院, 助教 (70633725)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 気道分泌 / COPD増悪 / 気道粘膜防御機構 / CFTR / HCO3- |
研究成果の概要 |
COPD増悪は予後に影響し予防対策が急務である。本研究ではウイルスや細菌など病原菌に対する気道粘膜防御機構の脆弱化メカニズム解明のために、気道粘膜下腺からの新鮮気道分泌に着目した。炎症惹起状態では定常状態に比して新鮮気道分泌速度が約3倍と過剰に増加し、分泌液pH値も約0.2程度と有意な病的酸性化を来した。COPD治療薬である3種類のLABAはこれらの変化を正常化した。その機序として気道分泌腺に発現する複数のイオンチャネルからのCl-分泌がHCO3-分泌にスイッチすることが重要であることを各種阻害剤や蛋白発現量の評価により確認した。本研究成果はCOPD増悪予防の新規治療開発に寄与しうる。
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自由記述の分野 |
呼吸器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
COPD増悪頻回例は呼吸機能の低下が著しく、症状が強く、生活の質が低下し、予後が悪化する。COPD増悪にかかる医療費は年間約6,000億円とCOPD全体の75%と試算される。COPD増悪抑制は疾患予後改善だけでなく医療資源の有効活用・医療費抑制のためにも急務である。本研究では、ヒト同様の構造的および機能的特徴を有するブタ気道からの新鮮分泌液の観察と解析に成功し、長時間作用性気管支拡張薬が気道分泌液を正常化し気道粘膜防御機構脆弱性の改善効果をもたらす可能性を初めて示した。本研究成果は、ウイルスや細菌感染など気道易感染性に伴って生じるCOPD増悪抑制のための新規治療法開発への基礎を提供する。
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