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2018 年度 実施状況報告書

難治性重症呼吸器疾患におけるマクロファージ・フロントに着目した新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K08140
研究機関東京大学

研究代表者

山内 康宏  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00323585)

研究分担者 漆山 博和  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20725303)
相馬 邦彦  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20806583) [辞退]
城 大祐  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (30376470) [辞退]
寺島 裕也  東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 講師 (90538729)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード難治性重症呼吸器疾患 / マクロファージ / フロント / 肺線維症
研究実績の概要

急性呼吸窮迫症候群・間質性肺炎/肺線維症・慢性閉塞性肺疾患・難治性重症喘息等を含む難治性重症呼吸器疾患は、個々の病態で進展形式は種々で相異するが、進行過程において気道・肺胞領域における炎症病態が重篤な呼吸不全に強く影響しており、病態の進行抑制・予後の改善に向けて気道における炎症制御が極めて重要である。
これら気道炎症ではマクロファージ・リンパ球・好中球・好酸球等の炎症性細胞が種々のcytokines/chemokines/炎症性メディエータを産生し相互にcrosstalkし、気道炎症を遷延化し、その病態を難治化に導いている。これらの細胞の中でも、特にマクロファージは気道に多く存在しており、遷延性の気道炎症を惹起させる中心的役割を担う代表格の細胞であると考えられる。
近年、そのマクロファージの遊走・浸潤を促進するケモカイン受容体の会合分子である「FROUNT (フロント)」分子の存在が報告され、その機能解析やその制御に向けた研究が進められている状況である。
我々は、難治性重症呼吸疾患の気道炎症を念頭において、マクロファージの浸潤による気道炎症の病態形成に着目し、それぞれの病態における「フロント」の機能解析とその「フロント阻害剤」による気道炎症の病態への影響について検討している。
現在、in vivoの検討として、マウス肺線維症モデルを用いてフロント阻害剤に肺線維症への効果を検討し、気道における炎症性病態とマクロファージへの影響と組織学的な肺の線維化への影響に関して検討している。さらに、in vitroの検討として、マクロファージ以外の細胞として肺線維症の中心的役割と考えられる肺線維芽細胞を用いて、フロント阻害剤による肺線維芽細胞の遊走への影響について検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ブレオマイシンを用いたマウス肺線維症モデルを用いて、野生型マウスと比較し、フロント阻害剤による影響を組織学的に評価し、肺内炎症領域におけるマクロファージへの影響および肺の線維化への影響について検討できている状況である。また、in vitroにおいても、フロント阻害剤による線維芽細胞への影響についても検討できている状況であり、現時点での研究の進捗状況は、おおむね順調に経過していると考える。
しかし、他にも今年度予定・検討していた他の呼吸器疾患モデルでの検討や、誘導型「フロント」欠損マウスでの疾患モデルの検討については、現在進行が遅れている状況であるため、やや遅れている状況と考える。

今後の研究の推進方策

次年度も引き続き、現在進行中の呼吸器疾患モデルを用いて、気道炎症の評価と線維化への影響、およびフロント阻害剤による影響の検討を進め、マクロファージの遊走制御とその機能制御による評価をすすめていく。
更に、現在進めている肺線維症モデルにおいて、気管支肺胞洗浄液における炎症性細胞への影響やサイトカイン・ケモカインの発現、また組織内でのmRNAの発現への影響等も含めて、より詳細に検討することを考えている。また、肺線維芽細胞における「フロント」の機能解析を更に進め、細胞内シグナル伝達経路の解析や、肺線維芽細胞における「フロント阻害剤」の影響を検討し、肺線維症モデルへの効果の機序・検討を更に進めていく方向性を考えている。
また、誘導型「フロント」欠損マウスを用いて、肺線維症モデルや他の呼吸器疾患モデルでの評価を行なう方向性で考えている。
今後も引き続き、難治性重症呼吸器疾患のマウスモデルを用いての病態の評価、また病勢進行の制御を念頭においた研究の推進の方向性を検討している。

次年度使用額が生じた理由

今年度予定していた研究の中で、上述の如くおおむね順調に進行している研究もあるが、他に検討を予定していた研究で現在遅れている研究も存在し、研究費を全ての研究に使用できなかった状況である。また、今年度の旅費についても、他業務により多忙であった為、旅費を使用できなかった状況である。
以上の理由により、次年度使用額が生じた。
次年度には、現在進行している研究の遂行に加え、今年度遅れている研究を更に遂行していく必要性がある。次年度には、次年度に予定している研究と今年度遅れている研究に関する消耗品費(試薬・マウス飼育関連等)と旅費としての使用で、研究費を使用予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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