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2019 年度 実施状況報告書

ペリオスチンを基軸とした新規の肺線維化機序の解明とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 18K08144
研究機関佐賀大学

研究代表者

南里 康弘 (宮内康弘)  佐賀大学, 医学部, 助教 (00382218)

研究分担者 出原 賢治  佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードペリオスチン / インテグリン / 間質性肺炎 / TGF-beta
研究実績の概要

間質性肺炎は肺組織での不可逆的な線維化を伴い予後も極めて悪い。また、既存の治療薬の効果は充分でなく、新しい治療薬の開発が急務である。間質性肺炎の発症機序においてTGF-betaの重要性が知られているが、生体内でのTGF-betaの活性化制御機構は未だ不明である。線維化の構成成分である細胞外マトリクスタンパク質の一部は、細胞表面上受容体に結合し細胞機能を調節する、マトリセルラータンパク質と呼ばれている。我々は、マトリセルラータンパク 質の一つであるペリオスチンが細胞膜上のインテグリンを介して間質性肺炎における肺線維化において重要な分子であることを明らかにしてきた。しかし、ペリ オスチンを介した肺線維化の機序には不明な点が多い。本研究では、ペリオスチンとTGF-betaのクロストークによる新規の肺線維化機序を明らかとすること、間質性肺炎に対する新たな治療戦略を構築することを目的としている。肺線維化の発症機序の解明においては、ペリオスチンとTGF-betaのクロストークに関する解析を行った。間質性肺炎に対する治療戦略の構築においては、間質性肺炎モデルマウスに対するペリオスチン阻害剤の効果に関する検討を行った。その結果、インテグリンに対する阻害効果が期待される20種類の薬剤のペリオスチン―インテグリン間の結合に対する効果の比較検討を行い、5種の薬剤が有為に抑制することを見出した。 前述の5種の薬剤の1つであるCP4715がペリオスチン―インテグリン間の結合を特異的に阻害する効果を有したことから、CP4715を間質性肺炎モデルマウスに投与する実験を行った。CP4715をマウスの皮内に投与し、持続的な効果を期待できる浸透圧ポンプを用いた解析した結果、疾患の抑制効果を示すデータが幾つか得られ、欧州呼吸器学会において成果を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肺線維化の発症機序の解明において、ペリオスチンとTGF-betaのクロストークに関する解析については、ペリオスチン依存的に誘導される線維化因子を同定し、間質性肺炎に対する治療戦略の構築においては、ペリオスチンーインテグリン間の阻害剤が試験管内および間質性肺炎のモデルマウスにおいて効果が得られ成果を欧州呼吸器学会で発表したので。

今後の研究の推進方策

間質性肺炎に対する治療戦略の構築においては、肺線維症患者におけるペリオスチンアイソフォームの同定を行いつつ、成果を公表につなげる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 その他

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] The cross-talk between TGF-beta; and periostin can be targeted for pulmonary fibrosis2019

    • 著者名/発表者名
      Nanri Y, Nunomura S, Terasaki Y, Yoshihara T, Hirano Y, Yokozaki Y, Ajito K, Murakami S, Conway SJ, Izuhara K
    • 学会等名
      European Respiratory Society (ERS) International Congress 2019
    • 国際学会
  • [備考] 佐賀大学医学部分子生命科学講座分子医化学分野ホームページ

    • URL

      http://www.biomol.med.saga-u.ac.jp/medbiochem/index.php

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公開日: 2021-01-27  

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