研究課題
本研究では、HSP47 siRNAはHSP47発現を直接抑制することを通してコラーゲン発現を抑制するのに対し、化合物スクリーニングから見いだされたHSP47 inhibitorはHSP47蛋白発現には直接的な影響は及ぼさない一方、HSP47のシャペロン機能を抑制することによりコラーゲン合成を抑制することが示された。また、HSP47 inhibitorは線維芽細胞の増殖やmigrationを抑制する作用も持つことが示された。これらの結果から、HSP47 inhibitorはIPFの治療薬候補となり得ることが示された。(Biochem Biophys Res Commun 2020: 530(3): 561-565)。近年、癌間質の線維芽細胞が癌の増殖・浸潤に促進的役割を果たしていることが注目されている。そこで、本研究では肺癌切除標本でのHSP47発現を免疫組織学的に検討し、癌間質の線維芽細胞におけるHSP47発現とその後の予後との関連を検討した。多変量解析により、癌間質の線維芽細胞におけるHSP47発現はその後の有意な再発リスク因子であることが明らかとなった。(Respir Res 2020: 21(1):234.)また、血清HSP47および抗HSP47抗体レベルが潰瘍性大腸炎患者よりもクローン病患者で有意に高いことを示した。さらに、腸管狭窄を伴うクローン病患者では、そうでない患者よりも血清抗HSP47抗体価が有意に高いことが判明した。また、HSP47 inhibitor によるHSP47阻害により、線維芽細胞のコラーゲン産生が有意に抑制されることが確認された。HSP47 inhibitorは、細胞の生存率に影響を与えることなくコラーゲン産生を抑制したことから、線維化予防のための理想的な薬剤となり得るものと考えられた。(Sci Rep 2022; 12: 10966.)
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