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2019 年度 実施状況報告書

創薬にむけたIPF急性増悪の病態研究:ステロイド不応性シグナル伝達経路に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 18K08156
研究機関東海大学

研究代表者

伊藤 洋子  東海大学, 医学部, 講師 (90286451)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード肺胞上皮細胞 / 急性増悪 / EGFR-TKI / 小胞体ストレス / 線維芽細胞 / 肺胞マクロファージ
研究実績の概要

急性増悪は特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis: IPF) の予後規定因子であるが、確立された治療法はなく、一般的にステロイドが投与されるが、効果は限定的である。IPFでは、肺胞領域で隣接する肺胞上皮と線維芽細胞が互いに異常シグナルを出し合い、互いの細胞や自らの細胞の形状や機能障害を起こし、病態を形成している。また、肺胞上皮細胞は、肺胞領域の恒常性維持にとって最重要細胞である。
IPFの肺胞上皮細胞は小胞体ストレスがかかっていることから、ラットから分離培養した肺胞上皮細胞を、小胞体ストレス誘導体で刺激し、その培養上清でさらに線維芽細胞および肺胞マクロファージを刺激して、小胞体ストレス下にある肺胞上皮細胞からの肺胞領域の細胞への影響を検討した。
研究を計画した当初は、線維芽細胞への影響を検討することを主としていたが、上記の刺激で、線維芽細胞の細胞外マトリックスの発現は、小胞体ストレスをうけていない肺胞上皮細胞の培養液で刺激した群と比較して差がみとめられなかった。それに対して、上記の刺激で肺胞マクロファージを刺激した際には、肺胞マクロファージにも小胞体ストレスが誘導されることが示唆された。
従って、IPF急性増悪モデルをもともと検討予定であった、肺胞上皮細胞と繊維芽細胞の共培養システムにプラスして、肺胞上皮細胞とマクロファージの共培養システムで今後検討して、現在の治療法であるステロイドで抑制されないシグナルを検討することで、新たな治療法のヒントをつかみたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

初年度にラットから肺胞上皮細胞の分離培養法を確立するのに時間を要してしまったため、初年度に予定した実験を今年度始めた状況であり、現時点では、進行が1年ずれ込んできているため、進行が遅れている。

今後の研究の推進方策

今年度は、実験システムが確立されてきたため、2020年度にはマイクロアレーを施行する予定である。ただし、上記に記載の通り、肺胞上皮細胞と線維芽細胞の共培養システムのみならず、マクロファージとの共培養システムのサンプルも検討したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

初年度にラットから肺胞上皮細胞の分離培養法を確立するのに時間を要してしまったため、初年度に予定した実験を今年度始めた状況であり、現時点では、進行が1年ずれ込んできているため、次年度使用額が生じている。したがって2020年度に当初2年目に施行予定であった、マイクロアレーを行う予定であり、そのための費用となる予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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