特発性肺線維症の急性増悪は予後不良因子であるが、経験的にステロイド治療が行われるが、その効果は十分ではない。本研究では特発性肺線維症の病態の標的細胞である肺胞上皮細胞を用いて、急性増悪の機序とステロイドの影響を検討した。本研究の成果として1)新規研究室でのラット肺胞上皮細胞分離培養システムの確立、2)ステロイドは小胞体ストレスおよび小胞体ストレス下の肺胞上皮細胞機能障害を改善させない、3)急性増悪誘発因子である放射線照射が、肺胞上皮細胞のバリア機能障害を引き起こす、4)急性増悪誘発因子であるLPSで肺胞上皮細胞に誘導された遺伝子の中にステロイド投与で元に戻らない遺伝子群がある、ことが判明した。
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