特発性肺線維症の肺組織は低酸素による解糖系亢進により酸性化していることから、線維芽細胞が生存、増殖、活性化するには細胞内外のpHを調節するCarbonic anhydrase IX (CA IX)が重要な役割を果たしているのではないかという仮説をたてた。Transforming growth factor β (TGF β)で刺激した肺線維芽細胞では解糖系が亢進し、細胞外液が酸性化した。ブレオマイシン肺線維症マウスにCA IX阻害薬 (U-104) を投与したところ、肺コラーゲン量が減少し、肺コンプライアンスの低下が改善した。以上の結果からCA IXは肺線維症の治療標的になると考えられた。
|