研究課題/領域番号 |
18K08164
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
奥村 俊介 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10516339)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | NUT carcinoma / microRNA |
研究実績の概要 |
NUT (midline) carcinoma (NMC, NC)の細胞増殖において、miR-21-5pが関与していることを再現性を持って確認した。HCC2429細胞株の増殖がmiR-21-5p mimicで亢進し、miR-21-5p inhibitorで抑制された。この現象は短期的なBET inhibitorの投薬には影響されなかった。過去に、我々はNMC細胞において、NMC細胞に合併するNUT融合遺伝子以外の遺伝子変異の解析を次世代シークエンサーを用いて行っている。その結果、ある重要な癌抑制遺伝子のloss-of-function mutationを同定したが、その過程でWEE1阻害剤がNMC細胞の腫瘍増殖抑制効果を持つことを突き止めている。そこで、我々はこのWEE1阻害剤とmiR-21-5pの阻害剤の併用療法がNMCの治療として有効なのではと考えた。特にBET阻害剤に耐性を持つNMCでは有効な治療薬に乏しいため、BET阻害剤耐性株におけるWEE1阻害剤とmiR-21-5p inhibitorの併用療法の抗腫瘍効果を検討することとした。BET inhibitorの耐性株を用いて、WEE1阻害剤であるMK1775とmir-21-5p inhibitorの併用療法の効果を細胞増殖アッセイで評価した。WEE1阻害剤とmiR-21-5p inhibitorが各々、耐性細胞に対して有効であったが、additiveな併用効果も認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
In vitro実験での条件設定に時間を要している。特にmiR-21-5p mimic, inhibitorの投与量、投与時間などの条件設定に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
前述のように、我々はNMC細胞において、miR-21 inhibitorをはじめとした、BET阻害剤以外で有効な阻害剤となりうる薬剤を同定した。実験の進捗状況も加味し、ここまでの成果をまとめて国際学会や英論文で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗が遅れているため、翌年への繰越が生じている。miR-21-5pの阻害剤、細胞培養の維持に関わる物品など、必要な物品の経費にあて、研究を遂行していく。
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