本研究は喘息病態として代表的なアレルゲンであるダニによる気道上皮障害のメカニズムをミトコンドリア新生という今までにない切り口から検討したものである。その中でミトコンドリア新生の主要な調節因子であるPGC-1αがダニ抗原による気道上皮障害に関与していることを示し、PGC-1αの活性作用を持つSRT1720がダニ抗原による気道上皮障害を改善させる作用を持つことが明らかになった。これらの結果から、PGC-1αを標的とした喘息の新規治療戦略が有用である可能性が示唆され、さらに気道上皮機能の回復という今までにない治療薬の開発の基礎になる可能性もあり、本研究は今後の喘息治療の発展に意義のあるものと考える。
|