疾患特異的分子の一つである小胞体膜上に存在するCKAP4が、細胞質に存在するキナーゼと結合し、ストレス応答分子であるeIF2αのリン酸化を制御する新たな分子機構を明らかとするとともに、eIF2αの脱リン酸化を制御するホスファターゼを同定した。並行して悪性胸膜中皮腫細胞から過剰に分泌発現されるOSF2の機能解析を、質量分析技術を応用したリン酸化プロテオーム解析により推進した。シグナル伝達経路の詳細な解明を目指した解析からは、OSF2の下流で機能する分子群を複数同定するに至り、これらの阻害効果を有する低分子化合物処理により、悪性胸膜中皮腫培養細胞株の増殖抑制を確認した。
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