研究課題/領域番号 |
18K08175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中原 博紀 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30757092)
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研究分担者 |
小林 哲 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (20437114)
Gabazza Esteban 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00293770)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | IPF / fibrosis / microbiome |
研究成果の概要 |
本研究ではヒトTGF-βの全長cDNAをマウスの肺のみに発現させたTransgenic mouse(TGマウス)を用いて肺線維症モデルを作製し、肺の線維化とmicrobiomeの関係を検討した。線維化を有するTGマウスの肺組織は高塩環境となっており、線維性肺組織を高塩環境で培養するとブドウ球菌属の細菌の増殖が確認された。この菌の上清で肺胞上皮細胞を培養するとアポトーシスが誘導され、アポトーシス誘導因子はブドウ球菌から分泌されるペプチドであると判明した。以上の結果より、肺組織で増殖した細菌叢がアポトーシスを誘導するペプチドを分泌していることが示唆された。
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自由記述の分野 |
呼吸器内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
呼吸器疾患に関する細菌叢の検討は報告数も少なく、研究は始まったばかりである。呼吸器疾患の中で特発性肺線維症は悪性腫瘍と比較しても予後不良な難治性肺疾患である。本研究は肺の線維化の発症および進展を含めた病態への細菌叢の役割を明らかにするものであり、その機構が明らかになれば臨床応用にも期待がもてる画期的な研究である。今回の研究で同定されたブドウ球菌から分泌されるペプチドは肺線維症におけるアポトーシスに関与している可能性があり、新たなバイオマーカーの開発や治療標的となりうると考えられる。
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