今後の研究の推進方策 |
(1) AT2特異的RhoA/Ror2/Pten欠損マウスの細胞老化/マイトファジー解析: AT2特異的RhoA/Ror2欠損マウス各々の16週齢と12か月齢の肺組織を用い、老化細胞をβ-ガラクトシダーゼ活性染色(SA-β-GAL)で評価する。ミトコンドリア形態異常を電子顕微鏡で、ミトコンドリア機能を細胞外フラックスアナライザーで各々解析する。SASPについて肺組織でのF4/80とIL6発現、単離AT2の核内NFκB/RELA, IL17, MIF, IL15のmRNAにて評価する。AT2内のマイトファジーをLC3, ATP synthase, p62発現で, シグナル分子動態をp27, p53, PINK1発現で評価する。 (2) AT2特異的RhoA/Ror2/Pten欠損によるニッチ細胞シングルセル解析とAEP-MANC間距離解析: 肺間葉細胞を単離し、シングルセルRNA-seqにより、AT2内RhoA/Ror2/Pten欠損が与えるニッチ細胞構成の変化を解析する。またAxin2TQ:PdgfrαEGFPマウスを交配し、TMX誘導性かつAT2特異的にRhoA/Ror2/Ptenを欠損かつMANC(Axin2+;PDGFR+)とAMP(Axin2+)が系統標識されるマウスを作製する。MANC数とAMP数をFACSで解析する。三次元的共焦点画像解析により、AEPとMANCの核間の距離を測定する。 (3) IPF/COPD肺組織の細胞老化/細胞骨格制御因子発現と重症度との関連性: 肺腫瘍手術予定のIPF/COPD/喫煙者/非喫煙者(各10例)よりAEPを単離する。PTEN, RhoA, Ror2の発現レベルを測定する。各分子発現と肺胞オルガノイド形成能、%努力性肺活量、胸部HRCTでの肺気腫(COPD)/蜂巣肺(IPF)面積との関連性を解析する。
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