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2019 年度 実施状況報告書

呼吸器疾患難治化におけるホスホリパーゼA2/リゾリン脂質ネットワークの役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K08180
研究機関鹿児島大学

研究代表者

渡辺 正樹  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90398298)

研究分担者 井上 博雅  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30264039)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードホスホリパーゼA2 / 気管支喘息 / 間質性肺炎
研究実績の概要

脂質メディエーターは、生活習慣病の他に慢性炎症を基盤とする癌やアレルギーの病態にも関与することが明らかになりつつある。本研究は、脂質代謝を始動する酵素であるホスホリパーゼA2ファミリーの中で、肺における作用を報告されていない分泌性ホスホリパーゼA2 (sPLA2) とその下流で合成される脂質代謝物 (脂肪酸、リゾリン脂質) に着目して、気管支喘息および間質性肺炎の難治化における役割の解明を目的としている。
本年度は、マウス肺におけるsPLA2の脂質代謝物への作用について解析した。具体的には、野生型マウス肺から抽出した脂質にリコンビナントⅢ型sPLA2 (sPLA2g3) を添加して、脂質代謝物の網羅的解析 (リピドミクス) を液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて行った。興味深いことに、sPLA2g3はマウス肺において脂肪酸 (アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸) およびリゾリン脂質 (LysoPC、LysoPE、LysoPS) を遊離していた。
sPLA2g3は気道上皮細胞に高発現していることと合せると、sPLA2および遊離した脂質代謝物は難治性呼吸器疾患の病態に関与している可能性がある。新しい観点による病態解明と治療法開発に繋がる極めて重要な成果である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、マウス肺においてsPLA2g3が脂肪酸 (アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸) およびリゾリン脂質 (LysoPC、LysoPE、LysoPS) を遊離することを見出した。これらの成果から、当初計画した研究目的は、現在までおおむね順調に達成しているといえる。

今後の研究の推進方策

今後は、難治性呼吸器疾患である急性肺傷害、肺線維症におけるsPLA2の役割を明らかにするために、sPLA2遺伝子欠失マウスに疾患を誘導して重症度を野生型と比較する。急性肺傷害、肺線維症モデルはそれぞれリポ多糖、ブレオマイシンを気管内投与して誘導する。肺傷害の程度は気管支肺胞洗浄液中の好中球数を計測して評価する。線維化は肺内ヒドロキシプロリン量を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量化する。

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公開日: 2021-01-27  

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