研究課題/領域番号 |
18K08183
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
田村 雄一 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (00468498)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 / 疾患関連遺伝子 |
研究実績の概要 |
本研究は原因不明の難病疾患である肺高血圧症、特に肺動脈性肺高血圧(PAH)の発症にかかわる新規原因遺伝子を特定し根治療法に結び付けることを目的としたものである。PAHに関しては複数の遺伝子異常が同定されているが、申請者はすでに新規疾患関連遺伝子PDE1AをGWASシステムを用いて同定しており、本研究では申請者が代表研究者を務め、PAH患者レジストリを展開している厚生労働省科学研究費研究班(田村班Ⅱ)に参加する肺高血圧症診療施設が連携し、PDE1Aに関連した遺伝子変異と臨床的影響を網羅的に解析し、レジストリとゲノムデータと結びつけて難病におけるPhenotypeとGenotypeを比較検討することで肺高血圧症の病態解明および効果的な治療法に結び付ける。 本年度はシーケンサーを用いたPDE1A遺伝子に対する網羅的な解析を行うため、ロングリードをカスタマイズして行うことができる新世代シーケンサーであるNanoporeテクノロジーを用いた解析手法を確立し、解析を行った。具体的にはロングリードのターゲットシーケンスが可能なプライマー配列を特定し、DNAの転写開始点の上流の3kbpの配列の検索を行うことができるNanoporeテクノロジー上での条件設定をもとに、プロモーター領域のロングリード解析を行うことができた。一部リード困難な部分もあったが、プライマーを工夫したり、一部サンガーシークエンスを併用するなどして、プロモーター領域の変異を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響があり、新規解析に用いる検体の採取に時間がかかったため、機能解析の検証まで至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
プロモーター領域における変異の検索:Nanoporeテクノロジーを用いて検索した上流領域の配列比較を他の哺乳類と行う。相同性をプロットし、相同性のあるところにコンピューター上でmotif検索を行うことで、DNAの直上流以外にも発現変化に寄与する可能性がある候補配列の同定を行う。続いて候補の領域に対してサンガー法によるシーケンスを行うことで、頻度の多い変異を同定することができた。 次に、特定したプロモーター領域のレポーターアッセイを予定する。同定したプロモーター領域の変異に関して、ルシフェラーゼを用いたレポーターアッセイを行う。変異プロモーターを再現したルシフェラーゼ遺伝子のDNAを作成し、コントロールを比較して発現量の上昇が認められるかどうかを確認することで、同定されたプロモーター領域が発現亢進に寄与しているかどうかの検討を行う。 さらに、患者レジストリを用いたphenotype-genotypeの検証を行う。PDE1Aの変異はPAHにおける新規疾患関連遺伝子であることが期待されると同時に、ホスホジエステラーゼ自体が肺高血圧症の病気の進展に深くかかわっていることから、本遺伝子変異と治療反応性や予後が関与している可能性が期待される。そこで、遺伝子解析を行った症例を対象として、患者レジストリを用いた治療反応性の評価や予後との関連を調べることで、PDE1Aの変異と活動性との関連を検索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの影響により、研究活動を縮小せざるを得ない状況になったため。
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