研究課題/領域番号 |
18K08186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
泉崎 雅彦 昭和大学, 医学部, 教授 (20398697)
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研究分担者 |
政岡 ゆり 昭和大学, 医学部, 准教授 (70398692)
吉川 輝 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90737355)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | COPD / 機能的磁気共鳴画像 / 接続性解析 / うつ病傾向 |
研究成果の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者と高齢健常者を対象とし、安静時fMRIでの脳の機能的接続性解析とMRIでの脳局所体積測定を行った。安静時fMRIの結果、COPD患者で左海馬と右感覚運動領域および左右の海馬間の機能的接続性が低下しており、COPDに脳内ネットワークの変化が生じていることが示唆された。また、呼吸機能、脳局所体積、精神疾患傾向の関係性をパス解析で検証した結果、COPD患者群では%FEV1の低下が脳梁膝部の体積減少を介してうつ病傾向の上昇に関連するモデルが最も高い適合度を示した。病期の進行に伴う脳梁膝部の萎縮が、左右の情報伝達を低下させ、うつ病傾向の上昇に関与する可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
生理学、呼吸器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、COPDにおける中枢疾患の発症リスクに関する新たな知見を提供するものである。安静時fMRIを用いてCOPD患者の脳内ネットワークの変化を明らかにし、海馬と他の脳領域との機能的接続性の低下が生じていることを示した。さらに、気流閉塞の進展とうつ病傾向の悪化の関係には、脳梁膝部の萎縮が介在することを見出した。これらの知見は、COPDにおける中枢疾患の発症メカニズムの理解を深め、新たな治療アプローチの開発に貢献することが期待される。また、早期発見・早期介入による合併症予防と適切な疾患管理につながる可能性がある。
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