研究実績の概要 |
現在、患者から全血10mlより血球成分のみを抽出し、CTC濃縮器(ClearCell ; FX system)をラベルフリーのCTCを採取し、CTC数のカウントを行っている。また、QIAamp DNA Micro KitにてDNAを、RNeasy Micro KitにてmRNAを抽出する。cfDNAの抽出は血球成分を除去した全血10 mL中からQIAamp circulating nucleic acid kitを用いてmRNA及びcfDNAを抽出し、抽出したmRNAからBIMγ、PD-L1, HER2, MET, VEGFRA, PUMA, EGFR, BIM-EL,L,Sを Real-time PCR法を用いて発現を検証する相対定量を実施し、KCL22細胞株、HCC827細胞株をcalibratorとして相対定量値を算出する。抽出したDNAからはEGFR感受性変異、T790MはCobas EGFR mutation test ver.2で、C797SはDirect Sequence法で検出している。その後、CTCとcfDNAからのBIM-γと予後予測因子(PD-L1, HER2, MET, VEGFRA, PUMA)とmRNA の発現量とEGFR感受性変異およびEGFR-TKI耐性遺伝子(T790M、EGFR C797S)のDNA発現率をそれぞれ比較し、臨床的な有用性について検討を行う予定である。以上より得られた結果を総括後、統計学的な解析を行う。本研究成果は国際学会に発表し、科学論文にて公表する。さらに、多施設共同の前向きな観察研究を計画する。現在、本検査系がワークすることを確認し、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌におけるオシメルチニブ投与時の循環腫瘍細胞を用いたバイオマーカーの研究という前向き多施設共同研究を立ち上げ、オシメルチニブを投与予定のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌症例の症例を集積している。
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