研究課題
EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)におけるオシメルチニブの奏効率と循環腫瘍細胞(CTC)のBIM-γのmRNA発現量の関連性を明らかにする目的で、EGFR-TKI未治療のEGFR遺伝子変異陽性NSCLCを対象にprospectiveに検討した。オシメルチニブの投与前と投与2か月後(可能な場合は4か月後、その後4か月毎、投与終了時)に血液(全血10ml)を採取し、CTC中のBIM-γのmRNAの発現量を測定した。CTCはClearCellFXシステムを使用して回収し、定量的リアルタイムPCRを実施した。2018年4月から2019年12月の間にオシメルチニブで治療されたEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者30例が登録された。患者背景は、年齢中央値70歳(68~85歳)、男性/女性=13/17、PS0/1/2=20/8/2、Ad/sq=28/2、stage III/IV/術後再発=2/22/8、exon 19 deletion/L858R=15/15。オシメルチニブ治療前のCTC数の中央値は9(0~124)個/ 10 mLで、BIM-γのmRNA発現の中央値は0.073(範囲0~1.37)であった。 CTC数とCTC中のBIM-γのmRNA発現量との間に有意な相関は認めなかった。オシメルチニブの奏効率はBIM-γ高発現群(n = 15)はBIM-γ低発現群(n = 15)と比較して低かった(26% vs. 73.3%、p = 0.011)。両群でのオシメルチニブの無増悪生存期間に有意差は認めなかった(p = 0.21)。結論としたEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者のCTC中のBIM-γのmRNAの過剰発現は、オシメルチニブの治療効果不良因子となり得ることが示唆された。
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Respiratory Investigation
巻: In Press ページ: In Press
10.1016/j.resinv.2021.03.010
INTERNATIONAL JOURNAL OF ONCOLOGY
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