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2019 年度 実施状況報告書

慢性腎臓病高齢者を対象とした認知機能障害と動脈硬化に関する縦断的コホート研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K08213
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

鶴屋 和彦  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20372740)

研究分担者 藤崎 毅一郎  九州大学, 大学病院, 助教 (10444811) [辞退]
鳥巣 久美子  九州大学, 医学研究院, 准教授 (20448434)
江里口 雅裕  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40572102)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード慢性腎臓病 / 脳萎縮 / 前頭葉機能 / 遂行機能 / トレイルメイキングテスト
研究実績の概要

保存期CKD患者(CKDステージG3-5)40例を対象に脳MRIの撮像し,統計的パラメトリックマッピング(statistical parametric mapping: SPM)を用いて解析し,脳容積を算出した.まず,灰白質容積(gray matter volume: GMV),白質容積(white matter volume: WMV),脳脊髄容積(cerebrospinal fluid volume:CSFV)を算出し,灰白質容積比[gray matter volume ratio (GMR): GMV/(GMV+WMV+CSFV)]および白質容積比[white matter volume ratio (WMR):WMV/(GMV+WMV+CSFV)]と年齢との関連性を検討した.既報と同様に,GMRは年齢とともに低下したのに対し,WMRは年齢による低下はなく,加齢に伴って灰白質が萎縮すること確認できた.次に,CKD患者の特徴とされる前頭葉機能(遂行機能)低下を評価できるトレイルメイキングテスト(trail making test: TMT)を行った.TMTは前頭葉障害による遂行機能の低下を評価する検査で,「1」~「25」までの数字がランダムに配置された用紙を用いて,数字の順に線で結んでいってもらい,その時間を測定するTMT-Aと,「1」~「13」までの数字と「あ」~「し」までの仮名がランダムに配置された用紙を用いて,数字(昇順)と仮名(五十音順)を交互に線で結んでいってもらい,その時間を測定するTMT-B,さらには,TMT-BとTMT-Aの差(ΔTMT)という3つの指標がある.GMRとTMTの相関について検討したところ,TMT-A,TMT-B,ΔTMTの全てがGMRと有意な負の相関関係があることが確認できた..

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

保存期CKD患者,腹膜透析患者および血液透析患者の合計160例に対してMRIを撮像し,TMTを行った.最終的には300例を登録する予定で,この1年間で120例が新たに登録できており比較的順調と思われる.

今後の研究の推進方策

今後は,登録症例をさらに増やしていくとともに,2年後にも脳MRIを撮像し,2年間の脳萎縮の進展について検討する.また,血液透析患者,腹膜透析患者についても
同様の検討を行い,保存期CKD患者,血液透析患者,腹膜透析患者における脳萎縮の進展速度について比較する予定である.

次年度使用額が生じた理由

患者登録が予定よりも少なかったため,該当年度の使用額を次年度に使用することとした.

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公開日: 2021-01-27  

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