研究課題/領域番号 |
18K08219
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
平山 明由 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任講師 (00572405)
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研究分担者 |
丸山 彰一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362253)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ネフローゼ / メタボロミクス / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度に同定したループス腎炎のバイオマーカー候補について、液体クロマトグラフィー―質量分析計を用いた高速分析法の開発を行った。これにより、従来キャピラリー電気泳動―質量分析計を用いて30分かかっていた測定時間を約10分に短縮することが可能になった。 また、バイオマーカー候補については異なる時期に採取されたバリデーション用検体を用いて、マーカーとしての感度・特異性の検討を実施した。7つの異なるネフローゼ疾患患者尿120検体を用いてバリデーション試験を実施した結果、独立した検体群においてもループス腎炎を他の6種のネフローゼから高精度に判別できることが証明された。 また、検体の臨床情報との相関についても検討を実施した。検体のベースラインデータとの相関を検討した所、BMIと体重には弱い相関がみられたが、その他は相関が見られなかった。さらに、ループス腎炎に関しては病理型との関連も検討したが、顕著な関連は見られなかった。本マーカーは、濃度が低い方が完全寛解が遅く、腎機能悪化も多い傾向が見られ、濃度の高い方が予後が良い傾向が認められた。 さらに、ループス腎炎患者血漿中のマーカー濃度についても検討を行った。10名のループス腎炎患者の血漿中のマーカー濃度を健常者と比較した所、尿同様に患者血症中でも高い傾向が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マーカー代謝物の化学合成に少し時間を要しているが、おおむね計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究先への結果のフィードバックを速やかに行い、必要に応じて追加検体を受け取れる体制を整えていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
化学合成を依頼していた試薬の作成に時間がかかり、当該年度に受領することができなかった。次年度に受領と支払いを実施する予定です。
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