研究課題
糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease, DKD)の進展における2つのフルクトース代謝酵素ケトヘキソキナーゼAとC(KHK-A・KHK-C)の役割を解析する。1) KHK-A KO・KHK-C KO・KHK-A/C KOマウスを用いた検討既にKHK-A KO・KHK-A/C KOマウスは保有しており、KHK-C KOマウスの作成をCRISPR/Cas9システムを用いて作成中である。KHK-Cに特異的であるexon3cを標的とした1本のgRNAおよび2本のgRNAを用いて、マウスKHK-Cを欠損する遺伝子改変マウスを作成し、それぞれから複数のlineを取得した。Offspringsを用いて、それぞれ10ヶ所のoff targetについての解析を行い、off targetが無いことを確認できた。現在、実験を行うためのコロニーの拡大を行っている。また、平常状態でのKHKの各種splicing variantの発現系の確認を行った。2) マウスKHK-C antisense oligo(ASO)を作成し、DKDに対する治療効果を検討する。KHK-A・KHK-Cはexon3のsplicing variantであり、それぞれexon3a・exon3cを有することから、exon3cを標的としたマウスKHK-C antisenseの候補配列を複数決定した。KHK-Cは生体内においては腎の近位尿細管に高発現するが、不死化細胞および初代培養細胞においてはその発現が低下することから、マウスKHK-C antisenseのKHK-C発現抑制効果の確認のため、マウスKHK-C・マウスKHK-Aを強制発現するHK-2細胞株を樹立し、作成したKHK-C ASOの発現抑制効果を検討している。
3: やや遅れている
CRISPR/Cas9システムを用いたKHK-Cを欠損する遺伝子改変マウスは、複数のlineが樹立できて、そのoffspringを用いたoff targetの解析も完了できた。現在、マウスコロニーを拡大中である。また、平常状態での発現系の確認を行い、KHK-Cの選択的なノックダウンを確認した。また、マウスKHK-C・マウスKHK-Aを強制発現するHK-2細胞株の樹立、マウスKHK-Cを標的とするantisenseの候補配列も決定・合成も終了し、発現抑制効果を検討してるが、十分な発現抑制効果を得られおらず、引き続き検討中である。
1) CRISPR/Cas9システムを用いたKHK-Cを欠損する遺伝子改変マウスを用い、ストレプトゾトシンを用いたI型糖尿病モデルを作成し、KHK-C KOマウスにおけるDKDの進展抑制作用について解析する。2) KHKーC強制発現培養細胞を用い、antisenseによるKHK-C発現抑制効果を検討し、抑制効果の高い配列を選択する。その後、安定化修飾したKHK-C antisenseを用いてin vivoにて検討する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
J Nutr Biochem
巻: 71 ページ: 54-62
10.1016/j.jnutbio.2019.05.017