研究課題/領域番号 |
18K08246
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
人見 浩史 関西医科大学, 医学部, 教授 (70346641)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 再生医学 / 移植・再生医療 / iPS細胞 / エリスロポエチン / 腎性貧血 / 薬効評価 |
研究実績の概要 |
本研究は腎性貧血治療を目的として、ヒトiPS細胞由来エリスロポエチン産生細胞を作製し、生体に導入することによりエリスロポエチンの生理的な補充を行うことである。2019年度は、ヒトiPS細胞からエリスロポエチン産生細胞を分化誘導し、腎性貧血免疫不全マウスに作製した細胞を移植し、貧血改善効果を検討することを計画していた。腎性貧血モデルは、マウスにアデニンを経口投与することで作製した。ヒトiPS細胞から独自の方法でエリスロポエチン産生細胞を作製し、細胞塊とすることで腎性貧血モデルマウスの腎被膜下に移植した。移植された細胞は長期間エリスロポエチンを産生し、マウスの腎性貧血を改善した。我々が作製した細胞は、生理的なホルモン産生・分泌調節機構を有すると考えられ、ホルモン過剰により多血症となることはなかった。また移植した細胞の腫瘍化も認められなかった。腎被膜下以外の移植部位は現在検討を行っている。さらに細胞を直接移植するのではなく、生体適合性を考慮した医療材料でモジュールを作製し、移植することを2019年度に予定していた。モジュール内で細胞が長期間生存すること、エリスロポエチン分泌が持続することを確認している。モジュールの安全性を確認し、腎性貧血マウスに移植することを予定している。これら本研究で得られる成果は、腎性貧血の治療に対する生理的な内分泌補充療法を可能とする。このことは医療技術の向上に加え、新規細胞治療法の開発による本邦の医薬産業界の活性化をもたらすものであると考えている。現在、マウスiPS細胞から分化誘導したエリスロポエチン産生細胞を用い、自家移植すること目的に研究を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度に予定していた研究内容については、ほぼ全て終了しており、概ね予想された結果を得ることができた。得られた知見を参考にし、また測定系や改良した分化誘導法を利用し、2020年度に計画している研究内容に関しても、一部予備実験を開始し、既に準備を行っている。今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響で、動物実験に支障を来すことも予想されるが、動物実験以外の研究を先行するなどの対策を立てている。研究計画の立案に際し、問題となると予想された点についても対応し順調に遂行できている。そのため交付申請書に記載された研究目的に対する達成度としては、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究計画に関しては、おおむね順調に推移している。2020年度は、腎性貧血マウスに自家iPS細胞由来エリスロポエチン産生細胞を移植することを計画している。iPS細胞の樹立に関しては、2019年度に予備実験を行い、既に作製可能であることを確認している。細胞移植モジュールについては、2019年度に構築したシステムを流用する。それ以外で研究を遂行する上で課題が生じた場合には、研究計画書に挙げた対策に沿って研究を行う予定である。
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