本研究成果は、腎性貧血の治療に対する安価でより生理的な管理を可能とする医療技術の向上に加え、貧血に対する新規治療法の開発による本邦の医薬産業界の活性化をもたらすものである。これまでヒトiPS細胞を用いた再生医療の試みがなされているが、エリスロポエチン産生細胞に関しては我々以外の報告は存在せず、本研究は全く新規で独自のものである。患者自身の体細胞から樹立され、ほぼ無限に増殖する能力を有する多能性幹細胞であるiPS細胞を用いることで、免疫抑制の必要ないエリスロポエチン産生細胞を大量に作製することも可能であり、今後も需要の増す腎性貧血治療に対して有効な手段になりうる。
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