研究課題/領域番号 |
18K08249
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
内藤 正吉 北里大学, 医学部, 講師 (40365101)
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研究分担者 |
永根 大幹 麻布大学, 獣医学部, 講師 (10772064)
山下 匡 麻布大学, 獣医学部, 教授 (30220338)
川島 永子 北里大学, 医学部, 助教 (90342774)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ポドサイト / GM3 |
研究実績の概要 |
ポドサイトの細胞膜に発現する糖脂質GM3は、スリット膜を構成するネフリンと相互作用している。この相互作用が存在することで、ポドサイト機能が正常に保たれることを証明するため、まずはGM3s ノックアウトマウスの解析を進めている。しかし、コロナ禍の影響もあり、昨年度と同様に、共同研究先でのGM3Sノックアウトマウスの提供に時間を要しているものの、引き続きマウスの解析を行っている。 現在までのところ、GM3Sノックアウトマウスでは、事前検討と同様に蛋白尿増加・ポドサイト数減少・糸球体硬化病変・糸球体肥大といった、ヒトにおけるポドサイト障害の結果生じる病態に類似した組織変化が生じていることを確認している。また、電子顕微鏡所見でも、腎糸球体のポドサイトの脱落や足突起の癒合・退縮といったポドサイト障害時にみられる所見を確認した。特にこれらの所見は高齢GM3Sノックアウトマウスで進行する傾向が確認できた。しかし、高齢マウスの結果はまだ統計解析に耐えうる匹数ではないことから、引き続き共同研究先からのGM3Sノックアウトマウスの提供を待っている状況である。 なお、ノックアウトマウスの研究成果の一部は、日本酸化ストレス学会フリーラジカルスクールでは最優秀演題賞 (2019) を受賞している。さらに、日本腎臓学会総会、日本生化学学会でも研究成果を報告した。 一方、ヒト腎生検検体の解析については、予定された正常腎組織の収集も終了し、ポドサイト単独に障害される疾患(MCNS, FSGS)ではGM3の発現低下していることを確認し、2021年日本腎臓学会総会で報告予定であるI。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19パンデミックの影響もあり、共同研究先からのGM3Sノックアウトマウスの提供が予定よりも遅延しているため、当初予定よりも時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
ノックアウトマウスの研究については、mRNAを用いた腎組織の病変増悪に関する因子の評価を引き続き進めている。ヒト腎生検検体の解析については、解析に必要な正常腎組織の収集も終了し、ポドサイト単独に障害される疾患(MCNS, FSGS)のGM3発現量と蛋白尿との相関性を解析中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミック下による研究進捗遅延の為。
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