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2022 年度 実施状況報告書

正常ポドサイトにおける細胞膜分子・糖脂質GM3の重要性

研究課題

研究課題/領域番号 18K08249
研究機関北里大学

研究代表者

内藤 正吉  北里大学, 医学部, 講師 (40365101)

研究分担者 永根 大幹  麻布大学, 獣医学部, 講師 (10772064)
山下 匡  麻布大学, 獣医学部, 教授 (30220338)
川島 永子  北里大学, 医学部, 助教 (90342774)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードポドサイト / GM3
研究実績の概要

ポドサイトの細胞膜に発現する糖脂質GM3は、スリット膜を構成するネフリンと相互作用している。この相互作用が存在することで、ポドサイト機能が正常に保たれることを証明するため、ヒト腎生検検体及び抗ネフリン抗体モデルマウスおよびGM3sノックアウトマウスを用いた解析を行った。その結果、当初の想定通り、ポドサイトにおけるGM3発現が蛋白尿保護作用を有することを示す結果が得られている。今年度は、ヒト腎生検検体としてポドサイト単独に障害される疾患(MCNS, FSGS)ではGM3の発現低下が蛋白尿量と負の相関を示していること(Clin Exp Nephrol. 2022;261078-1085)、さらに上記モデルマウスおよび細胞を用いた解析により、バルプロ酸が糖脂質GM3を特異的に発現増強させることで、抗ネフリン抗体からポドサイトを保護することで、蛋白尿発症を予防すること、GM3合成酵素遺伝子ノックアウトマウスが高齢ではポドサイト数が減少し、糸球体硬化病変や蛋白尿が出現するを確認した(Sci Rep. 2022;12(1):16058)。これらの結果は、論文報告の他に学会・研究会における報告も行い、産業財産権も取得した。
現在、バルプロ酸を用いたGM3の特異的発現増強が、蛋白尿の新規治療薬として応用可能なことについて確認した動物実験結果について、論文査読が終了し、追実験の準備を開始した所である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究内容に関する論文報告を2報行い、現在1報の論文の査読後の追実験の準備を開始した所であるため。

今後の研究の推進方策

現在論文査読後の追実験の準備を開始している。この研究結果によりGM3が蛋白尿の新規治療標的となることを証明する。

次年度使用額が生じた理由

現在論文投稿後の追実験の準備中である。次年度使用額はこの追実験に関する費用および英文校閲等に使用予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Decreased GM3 correlates with proteinuria in?minimal change nephrotic syndrome and focal segmental glomerulosclerosis2022

    • 著者名/発表者名
      Naito Shokichi、Kawashima Nagako、Ishii Daisuke、Fujita Tetsuo、Iwamura Masatsugu、Takeuchi Yasuo
    • 雑誌名

      Clinical and Experimental Nephrology

      巻: 26 ページ: 1078~1085

    • DOI

      10.1007/s10157-022-02249-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Glycosphingolipid GM3 prevents albuminuria and podocytopathy induced by anti-nephrin antibody2022

    • 著者名/発表者名
      Kawashima Nagako、Naito Shokichi、Hanamatsu Hisatoshi、Nagane Masaki、Takeuchi Yasuo、Furukawa Jun-ichi、Iwasaki Norimasa、Yamashita Tadashi、Nakayama Ken-ichi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 16058

    • DOI

      10.1038/s41598-022-20265-w

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 内藤 正吉, 川島 永子2023

    • 著者名/発表者名
      糖尿病性腎症のポドサイトにおける糖脂質GM3の検討
    • 学会等名
      第7回ポドサイト研究会
  • [学会発表] 糖脂質GM3による蛋白尿と腎糸球体障害の予防効果の検証2022

    • 著者名/発表者名
      川島 永子, 内藤 正吉, 永根 大幹, 竹内 康雄, 山下 匡, 仲山 賢一
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
  • [学会発表] 糖脂質GM3特異的発現上昇による足細胞保護効果2022

    • 著者名/発表者名
      川島 永子, 内藤 正吉, 永根 大幹, 山下 匡, 竹内 康雄
    • 学会等名
      日本腎臓学会
  • [産業財産権] 慢性腎臓病の予防又は治療剤2018

    • 発明者名
      川島永子、内藤正吉
    • 権利者名
      川島永子、内藤正吉
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      7055429

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公開日: 2023-12-25  

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